ある神話について
◎ 聞いたか?県庁職員は仲井真支持で動いているのが多いらしいぞ。県政の方向性をここで変えちゃ、振興も何もかもダメになってしまうんだってさ。
△ 仲井真県政が続いたら、どうなるのかに自信をもって動いているのかね。
◎ 自信があるかどうかはわからないが、いまやっていることの継続だろうから、それを変えたくないんだろうね。
△ 問題は、いまやっていることの把握と検証だね。オレにはろくなもんじゃないとしか思えないが。
◎ 私はろくでもないとまでは思わないが、いずれにしてもいろいろ問題はあるわね。
△ 県庁職員の動向は、怠惰な惰性を継続したいというのと、その惰性がろくでもないということを知られたくないという恐怖心と奇妙な自尊心があるんだろうね。
◎ 保守は現実的で基地問題に対処しつつ経済振興を実直に進めるけど、革新は理想的で基地問題で政府と過度に対立的で経済振興等についてはビジョンも能力もないと思われてる。
△ 神話だね。
◎ 神話って?
△ 神話は神話さ。経済の保守、反基地の革新。ある一定のところまでは事実に即している部分もあるけど、そうやってラベリングできない部分も多々ある。
◎ というと?
△ 革新の理想的な経済振興についての物言いはあるだろうけど、実際には一括交付金の増額を保守と一緒になって強く求めたのは、交付金制度の制度設計をなおざりにして政府のお手盛りを許した。これは平等と公正さと透明性を求める理想的な言い分とはずいぶん違っている。保守の県外移設論だって、民主党政権下における野党だった自民党だから言えた側面が否めない。そいでもって、経済の保守というけど、何ら経済的生産性のない基地と共生し続ける道を選択し自立経済など起こるはずないのは子どもにだってわかる理屈だ。
◎ 仲井真支持というのは、基地との共生を選択することになるのか?
△ 日米両政府は辺野古新基地建設を「長期的に持続可能な米軍のプレゼンスを確かなものとする」と声明しているんだよ。それに協力する仲井真さんが、基地との共生を選択していないと考える方がどうかしてるよ。
◎ 危険な普天間基地の危険除去のための現実的選択でもあるでしょ。
△ 普天間は昨日今日危険になったわけではないんだよ。もともとは沖縄戦時に米軍が土地を強奪して造ったことに起因する危険性だ。
◎ そうなんだよな。収容所から出たら家屋も何もかも米軍に破壊され基地になってたんだものな。人々は周辺にへばりつくように住む処を造るしかない。
△ ネトウヨの諸君は、無主物のような荒野を選んで米軍様が基地を造ったのに住民が仕事と補償金を求めて回りに住み着いたとプロパガンダしてるけどね。
◎ ひでぇ話だよね。悪質なデマだ。
△ 仲井真だって同類のデマゴギーだ。そのような原点と経過と現在を無視して、危険性除去だけ言い募って、日米両政府による計画通りに辺野古埋立承認するんだから。
◎ 公約では日米両政府の計画の見直しを求め「県外移設」だったもんね。
△ いずれにしても、県庁職員が仲井真支持で動いているというのは、噂だけであったとしても興味深いね。
◎ 幹部職員ではない中堅どころの職員でもという話だったよ。
△ 沖縄は失業率も高く最低賃金も低く、公務員になれたら親戚縁者がみんなで万歳するぐらいの公務員天国みたいな状況もあるから、その動向は気をつけてみておかないといけないね。
◎ というと。
△ 裾野は思っている以上に広く深いかもしれないということさ。新基地建設に反対する民意は確実にある。しかし、いざ選挙ということになれば有権者がどのように判断するのかはわからない。神話は神話だとバカにできないほど、人々の先入観は強い。
◎ 選挙だからね。仲井真や自民党県連が強気にみえるのも、強がってるだけでなく、彼ら彼女らなりの根拠があるんだよね。市町村の首長たちの支持もあるというし。
△ 必要以上に民意への疑心暗鬼に陥る必要はないが、違う考え方をしている他者がいるということを考えきれないで自分の正義だけを主張するのは危ういよね。
◎ 辺野古新基地建設をさせないで、基地との共生などではなく「基地のない島」を目指すにはどうしたらいいんだろう。
△ そのようなテーゼを明確に主張し県知事選挙で勝利することだね。
◎ だから、そのためにはどうしたらいいんだろう。
△ 私は政治家でも政党の戦略政策立案者でもないから、なんとも言い難いが、きちんとしないと有権者、すなわち我々はしっかりみている、ということはいえるね。
◎ 選挙の一票でしかない存在なんだが、どうにかしたいよね。
△ 選挙だけでなく、日々の生きることの中における様々な政治的選択の政治家、ミクロポリティシャンとしてしたたかにしなやかに生きていこうぜ。なんだったら、戦っていこうぜと言ってもいい。
◎ なんだか、ドキドキだな。沖縄の命運が決まる歴史的な時を生きている。
△ オレたちの命運は、決まっているけどな。昼休みは終わりだ。
◎ さて、仕事に戻るか。