逆ねじ式

…戯作というより戯言

黒に来る。フラグメンツ

  • 1995年に12歳の少女がレイプされるという事件があった。
  1. 犯人は三人の屈強な海兵隊員。
  • 沖縄県民は憤り悲しみ立ち上がった。
  1. 1996年、日米両政府は慌てて、在沖米軍基地の特別委員会をつくってSACO最終報告を合意した。
  • それによって沖縄県民の基地負担軽減という話だった。
  1. だが実際には、老朽化して周辺が市街化した米軍基地の整理統合新設で、少しばかりの面積の縮小計画だった。
  • それの最たるものが、普天間飛行場の返還、そして県内移設だった。
  1. 普天間返還が歓迎され、辺野古移設に困惑する。沖縄が引き裂かれる事態が起きる。
  1. だが条件付きで賛成する有権者も少なくはなかった。
  • 1998年、名護市で条件付き賛成派が推す市長が誕生し、県知事選挙では辺野古新基地を期間限定で軍民共用とし期限後は民間空港とし県民の財産にすると公約する県知事誕生。
  1. 1999年、県知事と名護市長の「条件」を丸呑みした普天間代替施設建設方針が閣議決定される。
  • 爾来、2005年の在日米軍再編協議で、沖縄側の条件が日米両政府により遺棄されるまで、沖縄側の条件付き容認に基づく基地建設に向けた手続きが進む。
  1. 2006年、在日米軍再編計画の全容が明らかになる。沖縄県知事は、新しい辺野古基地建設計画に不同意。同年2月に当選した新人の名護市長だけが、公約を覆し滑走路をV字形で2本に増やす計画変更で政府と合意。
  • 新しい県知事、仲井真は「名護市が認めるなら」と消極的に事実上政府案を認めつつ、地元の意向を重要視し滑走路沖合移動などを求める。
  1. だが、沖縄側の要望などなんら考慮されることなく、環境アセスや諸々の手続きだけが進む。
  1. 同年11月の県知事選挙、現職の仲井真は日米合意計画の見直し「県外移設」を求めると公約して再選。
  1. 2012年、普天間飛行場へのオスプレイ強行配備に反対する市民による、座り込み等で普天間基地ゲートが封鎖される。だがオスプレイ強行配備。
  • 2013年、沖縄市のサッカー場の地下から「ドラム缶」出現。ベトナム戦争時の枯葉剤と思われる有害物質含む、高濃度の汚染物質が確認される。沖縄の米軍基地にどれほどの有害物質が捨てられていることか。米軍は知らんふり、日本政府はタラタラ。沖縄県はトロトロ。
  1. 同年、12月、仲井真県知事が政府の埋立承認申請を承認。県民の怒り、怒髪天を衝く。
  1. 同年、11月の県知事選挙では保守系の翁長那覇市長が辺野古新基地建設反対で立候補し、圧倒的票差で勝利。
  • 続いて行われた、衆院選挙でも、自民党の現職議員たちがすべて選挙区において落選する。しかし、九州ブロックの比例票で全員が復活当選。
  1. 1区は共産党の赤嶺の選挙区初当選。2区は社民党の照屋、3区は前回比例復活当選だったデニーが選挙区で議席奪還、4区は自民党現職西銘の後援会長も務めた仲里が、辺野古新基地断固反対で保守系無所属で初当選。
  • 凄まじいまでの、沖縄の民意の噴火。
  1. 2015年現在、政府は辺野古新基地建設を「粛々と」進めると方針を変えない。沖縄は不退転の決意で阻止に向けて動いている。
  • 基地建設事業推進のガードマンたる沖縄県警、海上保安庁の暴力的な住民排除・強硬措置はエスカレートし続けている。
  1. 沖縄防衛局は、計画変更申請を県知事が承認することなどありえないことをわかりながら、とにかく既成事実を積み上げることに必死。
  • 訴訟になった場合に、訴えの利益がないと司法に判断されるぐらいまでには工事を進捗させた上で、変更等の手続きを考えているのだろう。
  1. しかし、これだけの長い年月をかけて粘り強く反対し続け、圧倒的な民意にまでなった建設反対の意思を一顧だにせず踏み潰す。
  • 日本国政府は壊れている。
  1. 沖縄県民は壊れている日本国が修復されることに期待し、そのためにも基地建設を断固阻止するだろう。
  • ダァッと喋ったけど、これでもまだ「何が起こっているかわからないので」と説明を求められる。
  1. どうしたもんかねぇ。
  • いいさ。考える。先を見通すために何が必要なのか。
  1. 海兵隊の新基地なんだよね。1995年を沖縄は忘れるはずがないのに。
  • 1945年も。


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