黒に来る。フラグメンツ
- 1995年に12歳の少女がレイプされるという事件があった。
- 犯人は三人の屈強な海兵隊員。
- 沖縄県民は憤り悲しみ立ち上がった。
- 1996年、日米両政府は慌てて、在沖米軍基地の特別委員会をつくってSACO最終報告を合意した。
- それによって沖縄県民の基地負担軽減という話だった。
- だが実際には、老朽化して周辺が市街化した米軍基地の整理統合新設で、少しばかりの面積の縮小計画だった。
- それの最たるものが、普天間飛行場の返還、そして県内移設だった。
- だが条件付きで賛成する有権者も少なくはなかった。
- 爾来、2005年の在日米軍再編協議で、沖縄側の条件が日米両政府により遺棄されるまで、沖縄側の条件付き容認に基づく基地建設に向けた手続きが進む。
- 新しい県知事、仲井真は「名護市が認めるなら」と消極的に事実上政府案を認めつつ、地元の意向を重要視し滑走路沖合移動などを求める。
- だが、沖縄側の要望などなんら考慮されることなく、環境アセスや諸々の手続きだけが進む。
- 同年11月の県知事選挙、現職の仲井真は日米合意計画の見直し「県外移設」を求めると公約して再選。
- 2013年、沖縄市のサッカー場の地下から「ドラム缶」出現。ベトナム戦争時の枯葉剤と思われる有害物質含む、高濃度の汚染物質が確認される。沖縄の米軍基地にどれほどの有害物質が捨てられていることか。米軍は知らんふり、日本政府はタラタラ。沖縄県はトロトロ。
- 同年、12月、仲井真県知事が政府の埋立承認申請を承認。県民の怒り、怒髪天を衝く。
- 凄まじいまでの、沖縄の民意の噴火。
- 2015年現在、政府は辺野古新基地建設を「粛々と」進めると方針を変えない。沖縄は不退転の決意で阻止に向けて動いている。
- 沖縄防衛局は、計画変更申請を県知事が承認することなどありえないことをわかりながら、とにかく既成事実を積み上げることに必死。
- 訴訟になった場合に、訴えの利益がないと司法に判断されるぐらいまでには工事を進捗させた上で、変更等の手続きを考えているのだろう。
- しかし、これだけの長い年月をかけて粘り強く反対し続け、圧倒的な民意にまでなった建設反対の意思を一顧だにせず踏み潰す。
- 日本国政府は壊れている。
- 沖縄県民は壊れている日本国が修復されることに期待し、そのためにも基地建設を断固阻止するだろう。
- ダァッと喋ったけど、これでもまだ「何が起こっているかわからないので」と説明を求められる。
- どうしたもんかねぇ。
- いいさ。考える。先を見通すために何が必要なのか。
- 海兵隊の新基地なんだよね。1995年を沖縄は忘れるはずがないのに。
- 1945年も。